第48回日本臨床検査医学会総会・第41回日本臨床化学会年会連合大会

2001/09/21 メディカル&テスト ページによると、第48回日本臨床検査医学会総会・第41回日本臨床化学会年会連合大会(検査2001)が開催され、その中で、-レジオネラ肺炎 正確な診断・治療体制が急務/国内疫学調査で死亡率20%、院内感染対策は環境調査必要という発表が行われた。 「安全医療の提供体制の確立が求められるなかで、死亡率が20%を超えるレジオネラ肺炎については、適切な鑑別診断・治療ができる感染症治療チームの体制確立が急務である。レジオネラ院内感染が疑われた場合、院内水系が感染源になっている可能性が高く、医療機関は直ちに院内施設の環境調査を実施できる体制を構築すべきである」-8月26〜29日の4日間、横浜市内で開かれた日本臨床検査医学会総会・日本臨床化学会年会(検査2001)のシンポジウム「感染症の診療支援」で、検査医の立場から東邦大学微生物学講座の館田一博医師は、こうした意見を述べた。 シンポジウムでは、臨床医から具体的な症例が提示され、その症例に対して検査医の検査コンサルテーション、検査技師による検査結果など、最終的に臨床医が診断を確定し、治療法を選択していく経過が順次説明された。 市中肺炎症例で舘田医師は、レジオネラや肺炎クラミジア、マイコプラズマなどの異型肺炎病原体の検査は、「臨床医がオーダーしなければ見逃されやすい。それをなくすためにも、市中肺炎の疫学情報の整備が必要である」と述べ、臨床医と検査部が相互補完しながら感染症診断・治療にあたることが重要だと指摘した。 レジオネラ院内感染は、国内でも発生事例が出ている。実際にレジオネラ肺炎が適正に診断できるかどうかの分岐点は、感染症検査のグラム染色(-)、一般細菌培養検査(-)、βラクタム剤無効の結果から、レジオネラあるいはマイコプラズマ、クラミジアを疑う力があるか否かだ。 司会の日本臨床微生物学会の山口恵三理事長は、「呼吸器の専門医は別だが、ほとんどの臨床医は、そこまで知らないのが実態。検査部は患者情報をできる限り入手し、臨床支援していけるシステムを作ることが重要だ」と述べた。 こうした発言の背景には、東邦大学が行ったレジオネラ疫学調査研究(旧厚生省研究班:1993〜2000年)で、日本でのレジオネラ肺炎では、基礎疾患なしが69%、意識レベルの変化が30.2%、人工呼吸器使用が45.3%、死亡率20.3%が確認されたという事実がある。これに対して米国のレジオネラ肺炎は、年間1万〜5万症例と推定され、死亡率は5〜15%。夏から秋にかけての集団感染事例が増えていると報告された。日本、米国の疫学データからもレジオネラ肺炎は、死亡率が高い点は見逃せない。 今後、患者の権利はいっそう強まることが予測される。これまでレジオネラなどと明確な診断がつけられないままに死亡した事例も多いと考えられるが、今後、医療機関は正確かつ適切な診断によって異型肺炎病原体に起因した感染症に挑んでいくよう迫られている。 その一方で、感染症関連検査・微生物検査の現行点数では、十分な鑑別診断ができないという検査部の不満も示された。病院経営者が、こうした感染症医療の現場をどう判断し、マネジメントしていくのか、今後問われそうだ。

記事掲載誌   掲載日 2001年9月21日 記事番号 331