宮崎・日向三セク温泉、行政指導守らず–加熱機設定、菌死滅の温度以下

2002/08/02毎日新聞 西部朝刊によると、宮崎県日向市の第三セクター「日向サンパーク温泉」(社長、山本孫春市長)のレジオネラ症集団感染問題で、同温泉の原水の加熱機の温度が開館前に55度に設定されていたため、保健所が設定温度を上げるよう行政指導していたことが分かった。国の基準は加熱設定温度をレジオネラ菌が死滅する60度以上と定めているが、同温泉はそれに達しない状態で開館していた。県などは集団感染につながった原因の一つとみて調べている。同温泉は日豊海岸国定公園内にあり、環境面を考えて、通常の重油を使うボイラーでなく、電気使用の加熱機を導入した。6月20日のプレオープンに先立ち、日向保健所が加熱機を確認したところ、温度が55度に設定されていたため、国の基準に照らして温度を上げるよう指導した。しかし、この加熱機は最高58度までしか設定できず、58度に上げて開館していた。基準には強制力はない。 山本市長は「オープン前に行政指導を受けていたことは、問題が発覚してから知った。何でこんな基本的なことが守られなかったのか。原因は究明中だが、加熱機の温度設定も原因の一つだと思っている」と話した。 レジオネラ菌は35度前後で活発に増殖し、45度以上で活動が弱まる。60度以上では死滅するという。県の調べで、菌は加熱前の原水からも国の基準(100mL中10個未満)の1200倍にあたる1万2000個が検出されている。県や県警は今後、浴槽に注入していた消毒用の塩素量も適切だったかどうか、注入機など循環施設を調べる。 県は1日現在、感染の疑いのある人は160人(死者2人)に上ると発表した。

記事掲載誌   掲載日 2002年8月2日 記事番号 276