保険新規収載項目の詳説-獨協医科大学越谷病院教授森三樹雄

2003/05/01メディカル&テスト紙よると、「診療報酬点数表(平成6年3月厚生省告示第54号)および老人診療報酬点数表(平成6年3月厚生省告示第72号)の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」(平成14年3月8日保医発第0308001号)の一部を改正し、レジオネラ症について次の項目を追加した。 ■ 尿中レジオネラ抗原は、症状や所見からレジオネラ症が疑われる患者に対して、ELISA法により実施した場合に限り、区分「D012」感染症血清反応の「23」に準じて、1回を限度として算定する。 【測定原理】 本法は、サンドイッチ法により尿中のLegionella Pneumophila血清型1LPS抗原を検出するELISA法の試薬である。固相(マイクロプレート)および酵素標識抗体は同一の抗レジオネラ抗原ウサギポリクローナル抗体を使用している。 【検査の手順】 最初に、抗体結合ウェルに尿を100μL加えて37℃で60分間反応させ、尿中のレジオネラ抗原と固相化抗体を結合させる。反応終了後、各ウェルを5回洗浄する。次にペルオキシダーゼ標識抗体を100μL加えて37℃で60分間反応させる。さらに洗浄を5回行い、未反応の酵素標識抗体を除去した後、基質液を100μL加え室温で10分間酵素反応を行う。その後反応停止液を100μL添加し、各ウェルの吸光度を測定し、Legionella Pneumophila血清型1LPS抗原の有無を判定する。 【特徴】 レジオネラ肺炎の起因菌であるLegionella Pneumophilaには血清型1〜15までの15種類の血清型群が知られている。最近では、温泉レジャー施設や24時間風呂などが原因とされるレジオネラの集団感染事例が頻発し、大きな問題となっている。レジオネラ肺炎は急速に進行する劇症肺炎で、早期に有効なマクロライド系あるいはニューキノロン系の抗菌薬が投与されなければ、急激に悪化し、呼吸不全により死亡する。従って、レジオネラ肺炎では発症後すみやかに診断を確定し早期に投与する必要がある。本法による尿中抗原検出法は肺炎発症の初期から陽性となるため、レジオネラ肺炎の早期診断に有効である。レジオネラ肺炎は早期診断の必要性が高い感染症であり、本法により早期診断が可能となることから、レジオネラ感染による死亡率を減少させる効果が期待される。

記事掲載誌   掲載日 2003年5月1日 記事番号 131