アメーバ共培養-LAMP法を用いた水景施設におけるレジオネラ属菌生息調査

レジオネラや抗酸菌などの病原細菌と環境水中のアメーバの密接な関連を利用して、これら細菌類の検出にアメーバ共培養法を応用する試みが行われている。アメーバ共培養法により検出されたレジオネラは、宿主アメーバ内増殖能との関連性からヒトへの病原性が強いことが示唆されており、レジオネラ症の発症につながる危険性も高い事が指摘されている。

近年、諸外国において、水景施設を感染源とするレジオネラ症が報告されている。水景施設とは、人工的に造られた噴水や滝、池などの水環境で、公園、学校、ショッピングセンター、ホテルのロビーなど屋内外を問わず設置されている。レジオネラがアメーバ内で増殖する特性を利用したアメーバ共培養法の手法とLAMP法を組み合わせ、よりヒトへの病原性が強い可能性があるレジオネラを検出することを試
み、水景施設を対象とした生息調査を行った。アメーバ培養法を行った水景水のLAMP法陽性率は41.9%であった。また、LAMP法陽性資料のうち、アメーバ共培養法を行った後も陽性であった資料は81.8%であった。これらの陽性率は、アメーバ内で増殖したレジオネラ、すなわち、アメーバ内増殖能を有するレジオネラ汚染度を示すものと考えられる。これまで、レジオネラ症の感染源と考えられる場所として、主に浴槽水や冷却水が挙げられていた。しかし近年、雨水や水たまり、カーエアコン、歯科治療装置などからのレジオネラ検出が報告されており、これまでにレジオネラ感染源として挙げられていない環境水が感染源となる可能性も考えられる。

レジオネラ症を防止するためには、感染源となる環境水中のレジオネラの生息状況を正確に把握し、迅速に対策を講じる事が公衆衛生上重要である。今後は、種々の水環境を対象にアメーバ共培養法の手法を適用し、よりヒトへの感染の可能性が高いレジオネラの生息環境調査を実施することにより、レジオネラ症発生防止の基礎的データを得られると考えられる。


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