レジオネラ属菌と給湯設備

厚生省(現厚生労働省)を中心にレジオネラ属菌に関わる調査・研究・検討が進められ、これらの成果は厚生省生活衛生局長通知や告知、建築物衛生法施行令などに反映されてきた。レジオネラ症の防止指針策定に向け、平成4年度に「在郷軍人病予防のためのガイドライン作成調査」を実施し、翌年度に「レジオネラ防止指針(第1版)として発行された。平成11年には給水・給湯設備、冷却塔と冷却水系、加湿器、水景施設、蓄熱槽、循環式浴槽等に着目して第2版「新版レジオネラ症防止指針」が発行され、平成21年に未然防止から早期発見・早期治療、感染拡大防止を目的とした第3版「レジオネラ症防止指針」が発行された。

循環式を採用している給湯設備においては塩素消毒の効果は期待できず、システム内のいずれかの個所で常時温度が55℃未満になる場合には、レジオネラ属菌が発生する可能性が極めて高くなることがうかがい知れる。現在、循環式給湯方式が採用される中央給湯設備、スポーツ施設、浴場施設等での循環式浴槽設備に対するレジオネラ症防止に関わる法的基準および指針等において、設計や維持管理に関わる内容はかなり充実してきている。

労働安全衛生法において給湯ボイラや貯湯槽には、温度上昇に伴う膨張を吸収するための逃がし管または逃し弁の設置が義務付けられており、逃がし管が設けられてきた貯湯槽は多く存在する。1970年代に都内に竣工したAホテルの貯湯賞からの逃がし弁を対象としてレジオネラ属菌の調査を行った。12検体のうち、8検体からレジオネラ属菌が検出された。レジオネラ属菌が発生していた主要因として、逃し管内の水温が低いことが挙げられた。


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